シンデレラ E
     


チ・・・チチ・・・と小鳥の鳴き声が聞こえる穏やかな朝、不二は目を覚ましました。

時計を見ると普段ならもう起きている時間でした。

しかし不二は英二に腕枕をしていたので起き様にも起きれません、それに英二はとても幸せそうな表情で眠っていまし

た。

柔らかな外ハネの髪を撫でると英二がくすぐったそうに身体をよじる様子を見て不二は微笑みます。

(これで完全に君は僕のもの
だよ)

そんな優越感に浸っていると

ドンドンドン

と扉を叩く音が聞こえてきました。

いつもなら自分が出るので下で朝食の準備をして居るであろう越前が迷っているとこが簡単に想像できました。

「誰でもいいから出て・・・すぐ行くから」

するとちゃんと聞こえたのか扉の開く音が聞こえました。

今の声で目が覚めたのか英二が眠そうな声を上げて目を開けました。

「んーーー・・・・?」

「ごめん英二、起こしちゃった?」

「ふにゃ・・・大丈夫・・・っ!?」

「英二!?」

「・・・腰・・・痛い!!」

起きあがろうとした英二がまたパタンと倒れ込み不二がクスリと笑いました。

「痛いはずだよ、あんなに可愛く腰振ればね」

その言葉に英二は真っ赤に顔を赤くして小さな声で

「不二のせいじゃん・・・」

と呟きました。

あの後も2人は情事を続け眠ったのは空が白み始めた頃でした。

「ねぇ・・・なんか下で声しない?」

あぁ・・・忘れてたと不二は素早く服を着てベットにいる英二に言いました。

「後できっと呼ぶから」

「え?」

ニッコリと笑うと不二は部屋のドアを閉めました。



階段を下りると2人の兵士がいて越前達に靴を見せていました。

「へぇ、きれいな靴だね。桃履いてごらん」

階段を下りてきた不二が桃城に言ったので足を入れようとしましたが

「はけねーな はけねーよ」

「手塚は?」

「桃城が入らないのに俺が入るわけ無いだろう」

手塚はそう言って腕を組みました。

「家には履ける者がいなかったんでしょ?」

不二が追い返そうとすると

「おい、そこにいるやつも来てなかったか・・・」

海堂が指を指したのは越前でした。





    愛しい人と
    朝を迎えられることが
    こんなにも嬉しいなんて
       知らなかった







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