「大石」
大石はいきなり後ろから呼び止められました。振り向くと・・・
「なんだ、不二か」
「ごめんね、僕で」
「なにがだ?」
「まだ分からない?」
はぁ・・・とため息をついた不二は瞳を開いて言いました。
「ねぇ、僕を選んでくれたのは英二なんだよね?」
「あぁ、そうだ。とても大切な友人なんだ」
「それだけじゃないよね」
「・・・・っ!」
(何で知っているんだ!?)
大石は混乱しました、英二には不二の不二には英二の話をしましたが1度も2人を合わせた
ことはなかったからです。
「やっぱり僕を愛してくれてはいないんだね」
「・・・・」
大石は何も言うことが出来ませんでした。
「別れよう、愛してもいないのに一緒にいたって無意味でしょ?」
「しかし!それでは」
「英二がせっかく喜んでくれたのに?」
「・・・・そうだ」
「ここに離婚届がある。僕はもう名前と家印を書いた。後は君の名前と家印だけ」
「・・・・」
渡された離婚届とペンを受け取り大石はしばらく考え込みました。
(英二には悪いが離婚しよう。そして今度こそ英二に俺の気持ちを・・・)
そう決心して大石はペンをはしらせました。
「じゃあね、大石。これは僕が出しておくから」
「あ・・・あぁ、たのむ。ところで不二は舞踏会に行かなくていいのか?手塚達が行ってるんだろ?」
「別に行かなくても問題はないんじゃないかな?それに僕は待っている人がいるんだ」
「待っている人?」
「そうだよ」
大石はなんだか嫌な予感がしました。
するとそこへ
「大石おまたへ〜って不二!?」
「待ってたよ英二。今日が約束の日だっていうこと忘れちゃってたのかな?」
「えっ!?あーそっかー」
「ちょうど越前もお城にやってくれたことだし、まぁいいけどね」
「ごめん、ダメだった?」
「いいや、ありがとう」
すると当然のように英二の額にキスをしました。
「なっ・・・・!」
「不二!ダメだって大石いるんだから!(//////)」
「いいじゃない、僕たちもう離婚したし」
そして持っていた離婚届を英二に見せました。
「大石」
「っ!」
「ゴメン、俺不二のことが好きなんだ」
大石は石で頭を殴られたような衝撃を受けました。
「い・・・いつから会ってたんだ」
なるべく声が震えないようにしましたがうまくいったか分かりませんでした。
「結婚式の時かな」
「そのときからずーっと会ってたよ?って言うか大石に話してなかったの?不二」
「ごめん忘れてたw」
その笑みは確信犯の笑みでした。
「それで最近僕が告白したんだよね」
「そのために今日別れたのか?」
「うん、そうだよ」
大石はあまりにもショックで怒りさえも忘れていました。
「英二、荷物持ってきた?」
「うん、そこにある」
奥の方にはいろいろな荷物が置かれていました。
「後は荷物入れて終わりかな?」
「そー」
「なんで・・・・だ?」
「あぁ、言っていなかったっけ?今日から英二は僕と暮らすんだよ」
愛しい君はとても可愛らしい
だから僕の気苦労も絶えないことを
君は知っているかな?
でも、知らなくていいんだ
僕が君につこうとする悪い虫を
君が気づいてしまう前に
全て排除するから