なんて臆病 2




今夜は全てが味気ない
彼は宣言通りに一人分の夕飯を作ると、帰りはきっと遅いから先に寝ていい
そう言い残し出かけてしまった
止める権利はない、彼のプライベートに踏み込む勇気もない
胸が締め付けられるような悲しみを感じながらも「気をつけて」と送り出した
人になった意味が本当にあったのだろうか・・・・・
夕食を食べて風呂に入り、ベッドへ潜り込む
昨日と同じ行動のはずなのにものすごく空しくなる
どうしてこんなことに・・・?と考えみても答えは出そうにない
最初はとても些細な願いだったはず
人になればいつも話しかけてくれるあの人と話ができるんじゃないだろうか?
ただそれだけ
でもそんな小さな願いがどんどん欲張りになっていったことにも気がついている
彼は今どこで何をしているのだろう
だいたい想像が付いてしまうのがたまらなく嫌だった
知識をつけるというのは生きていくことで必要不可欠なことだろうがちょっと考え物だ
語学の勉強が終わったため明日から彼について研究所に行かなくていい
頼り切りの生活ではなく少しでも彼の負担を軽減するために、働かなければいけないのだろうけれど
今すぐ誰も知らないところで働けるかと問われてもまず無理だ
ならば家事で恩を返すしかない
もぞもぞと寝返りを打つ
昨日はすぐ眠りにつけたはずなのに今日に限って睡魔は訪れてくれない
そしてまた胸の中で蟠るモヤモヤしたものの正体を考え続けた
どのくらい経った頃だろう不意にベッドが揺れて目を覚ます。いつの間にか寝ていたようだ
背後からは慣れ親しんだあの人の気配。どうやら今帰宅したらしい
カーテンの隙間からは朝日の光が差し込んでいる
朝帰りなんて最悪じゃないか・・・・

「お帰りなさい」
「っ!!びっくりした・・・ただいま」
「楽しかったどすか?」
「は?」
「彼女に逢いに行ったんちゃいますの?」
「や、そーだけどヨ。なんか前みたいに好きだって思えなくなってたんだよ」

なんでだろうなと自嘲気味に笑う彼の言葉にそうどすか、なんてつまらない言葉しか返せなかった
最低だ
少し嬉しかったなんて最低すぎる






++++++++後書き++++++++
バリバリ遅れて進みます
2本も遅れて続きます

済みません昨日電池切れしました
創作意欲の電池切れ
今日は何とかなりましたので急ぎます

もんもんイライラ
でも戻ってきてくれたのが嬉しくて
うわ自分最低じゃんと思うアラ
それが書きたかった

(遅ればせながらも)次回予告
シンは会社に行きました
アラはお家でお掃除を・・・・
アレアレ誰か来た




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