なんて心地よい




「じゃまにならへんようするさかいっ・・・おねがいします」

と必死に頼み込まれてしまった
コイツの望みはできうる限り叶えてやりたいと思っているし、何より俺を思って言っているのだから
無下になんてできない
今日だけと言う条件のもと了承してやるとアイツは本当に嬉しそうに笑った
そんな顔をされると絵面が最悪だから嫌がっていた俺がバカみたいに思えてくる
アラシヤマを先に寝かせてから俺も風呂に入り、台所を片付けてベッドに入った
邪魔にならないから、と宣言していた通り猫はベッドの端で小さく身体を丸めて眠っている
バカだな・・・コイツはたぶん俺に邪魔だとか迷惑だと思われるのがたまらなく嫌なんだろう
そんなこと思うはずもないのに。何をそんなに恐れているんだか
はぁと小さくため息をついて予想よりずっと軽いアラシヤマの身体を抱き上げた
あまりに端っこ過ぎてこのままだと絶対に落ちるだろう
壁際に押しやってから背を向けて横になる
はぁ・・・・今日はいろいろありすぎてめちゃくちゃ疲れた
早く寝てしまおうと目を閉じた途端背後から嗚咽が聞こえてくる
押し殺すのに失敗して漏れてしまったような小さなものだったが・・・
何かあったのだろうか?耳を澄ますと小さな声が聞こえた

「・・・はん・・・・な・・・して・・・・」

心細そうにしゃくり上げている。アイツは今いったい誰のことを思って泣いているのだろう
意を決して壁側に寝返りを打つ。目に映ったのはアラシヤマの背中だけだ

「お・・かあ・・・はん・・・」
「っ!!」

出てきた単語に俺は凍り付く
アラシヤマは名前がないと言っていた。アラシヤマは母において行かれたと言っていた
生存の見込みのない子供は切り捨てる
弱肉強食の世界ならば仕方のないことかもしれないが、心に相当な傷を負ったことに変わりない
そうか、コイツが恐れているのはたぶんまた一人になってしまうことだ

「アラシヤマ」

名前を呼んで嗚咽で揺れる肩を抱きしめる。もう絵面とかそういう面倒くさいことを考えるのはやめた
俺は俺がしたいと思ったことをするし、それについては誰にも文句を言わせない
アラシヤマの身体を無理矢理反転させて腕の中に抱き込む

「大丈夫だ。俺が側にいるから」

何がなんて分からないし、大丈夫という保証もない
だが俺のシャツにしがみついているところを見るとこの対処法は当たりらしい
しばらくしてようやく落ち着いたのかアラシヤマの嗚咽は止まりかすかな寝息だけが聞こえてくる
シャツ越しにじんわりと伝わってくる体温が心地よくて欲求のままに俺は目を閉じた






++++++++後書き++++++++
もうダメだ進みます
筆が進まん続きます

めそめそアーちゃん
慰めシンちゃん

吹 っ 切 れ た !
ついにシンちゃんが吹っ切れたよww
つか全然ムラムラとかしていなかったし
何というガッカリクオリティー!!!
まじめな話になっちゃったよ
あーあ
まぁ、いいや気にしないb

(ただの趣味です)次回予告
一方その頃不二さんと菊丸さんのお家では?
回想、上手くしゃべれない英二萌え







Next