なんて優しい
水が大嫌いだったが人の姿での入浴はとても気持ちのいいものだった
丁寧に髪を洗う指、水分を拭き取る手、ぎこちなく返されたお礼の言葉
何もかもが優しくて、心地よくて、その甘さに溺れてしまいそうだ
でも、それではいけない。ある程度覚えたら何でも自分でしなければ
彼に邪魔だと思われたくないし、迷惑もかけたくない
風呂の入り方も今日で十分理解した。明日からは彼についてもらわなくても大丈夫だろう
少しだけ・・・・寂しいような気もするが
「しまった」
「どないしたんどすか?」
ドライヤーの熱風で髪を乾かしてもらっていると(本当に至れり尽くせりだ)突然彼が声を上げた
「ベッド買うの忘れてたわ・・・」
「はぁ・・・なにも今までみたいに・・・」
「ベッドがいくらデカイとは言え180強ある男二人だとたぶん狭い」
そして痛すぎる。何が悲しくて男2人で添い寝なんぞしなきゃならねーんだ
とかなんとか彼はブツブツぼやいている
本来の姿の時は彼のベッドの片隅を拝借していたが人になったらどうもそうはいかないらしい
最悪なことに現在進行形で彼に迷惑をかけている
こんな事になるなら・・・人になどならない方が良かったのかもしれない
ちらりとそんなことを考えたがすぐにかき消す
それでは救うだけではなく面倒まで見てくれている彼にあまりにも失礼なことだ
「とりあえずオマエはベッド使え。明日何とかするから」
「シンタローはんはどこでねるんどすか?」
「リビングのソファー」
あっけらかんと言い放つ彼に唖然とする
それはこの家に居候させてもらっている自分がすべきではないだろうか
「わてがソファーつかいます!」
「はぁ!?変な気遣うな、風邪引いたら大変だろ」
「せやかて・・・」
いくら何でも命の恩人をそんなところに寝かせるわけにはいかない
「シンタローはん今日だけいっしょにねとくれやす」
「だから・・・狭いって」
「じゃまにならへんようするさかいっ・・・おねがいします」
必死の思いで頭を下げるとはぁ・・・と小さなため息が聞こえてくる。やはりダメなのだろうか
「今日だけ・・・・ナ」
「へぇ!おおきに!!」
少し呆れたような声とぐしゃぐしゃと乾いた頭を撫でてくれた彼の手はやっぱり優しかった
++++++++後書き++++++++
すでにアウトだ進みます
あと2分でアウトだ続きます
苦悩のシンちゃん
粘り強く交渉あーちゃん
次はベッドシーンだよ(ぇ
ちょっと違う意味に聞こえてきちゃうよね、分かります
期待には全力で沿いません^^^^^
拍手はちょびっと健全に
そしてサラッとえろく!!!!(ぇぇぇ
(チキンスキン?バードスキン?)
次回予告
ベッドの中で一人ムラムラするシン
こっそり・・・・悪戯・・・・しそうな・・・・予感