なんて予想外




まさか4件目の事例が出てくるとは思わなかった
3件中2件はこのマンションで発症していたためペット可だったところを急遽ペット不可にしたのだ
それでもう終わりかと思われたが今度は野良猫が発症したという
どの動物がどのような条件で感染経路は何なのか・・・
謎は深まるばかりだった
僕が発見した病の名は「ヒューマンシンドローム」直訳で人間症候群だ
1番最初に発症したのは僕の飼い猫
2件目は職場である動物病院医院長の飼い犬
3件目は病院職員の飼い犬が感染している
これらの事例から考えていくと『動物病院』が関係あるように思える
だがそれ以上病にかかるペットはおらず病院にいた動物たちにも何ら変化はない
ならば『動物病院』『職員のペット』『マンション』『犬か猫』
全ての条件を満たす必要があるのかと思えば・・・
『動物病院』『職員のペット』に当てはまらない野良猫の発症
また最初から考え直さなければ。共通しているのは『マンション』と『犬か猫』
だが3件目のペットを飼う職員はこのマンションに住んではいない

「不二・・・?大丈夫??」

よほど深刻な顔をしていたのだろう、英二が心配そうに僕の隣に腰を下ろす

「大丈夫、といいたいけど・・・困ったね。もう被害を出したくないのに」
「不二は頑張ってんじゃん!俺不二遅くまで勉強してんの知ってるよ・・・だから・・・だから!」

そんなこと言わないで、と英二は僕の首に頭をこすりつける
何も変わらない。英二は昔からこの仕草をよくしていた
頭をすっぽりと覆うフードを引っ張るとピクピク動く三角形の耳が現れる
ソレは英二本来の耳。彼が『猫だった』という証拠

動物がある日突然人に変わってしまうという奇病に最初に感染したのは
僕の大事な家族である猫のエージだった

「そうだね、諦めちゃダメだ。これ以上感染者が増えたら世間にばれてしまう」
「俺も手伝うから、一緒に探そ」
「うん。メカニズムが分かれば元の姿に戻してあげられるかもしれない」

そこまで言うと不意に英二が黙り込む。しまった、この話題になると英二は決まって口を噤むのだ
なぜなのか聞いても首を横に振るばかりで答えはくれない

「ごめんね、英二。この話はやめようか」
「平気・・・・・・じゃないかも。ね、不二・・・・シたい」
「いい・・・・・けど・・・・大丈夫?」
「うん。いっぱいキスして、昔みたいに」

ねだられるまま僕は唇を触れあわせた






++++++++後書き++++++++
頑張れ頑張れ進みます
負けるな負けるな続きます

不二の独壇場
HS見つけたのは不二先生
最初に発症したのは飼い猫エージでした
アラが出てこなかった!
不二菊が書きたかった!
超楽しかった><

次回予告(意味がないけど)
こ・・・今度こそアラのターン!!(仮
余り気味のシャツは滾りの香り




Next