なんて・・・




「さて、何からお話ししましょうか」

困ったように笑いながら不二は俺の前にアイスティーを置いた
のんびりお茶を飲みながら話すような話題ではないはずだが・・・
連れてきた俺とは対照的に獣医の所作は落ち着いたものだ

「そうですね、まずは・・・あの猫はあなたの飼い猫ですか?」

テーブルを挟んだ俺の正面に座ると不二が問いかけてきた
だが声に責めるような色はなく本当に疑問に思っているだけのようだ

「や、たぶん野良です」
「野良・・・?あぁ、ここに住み着いているのはあの子だったんですね」

なんと以前から猫が出没しているという報告が他の住人から来ていたらしい
ただ管理人自身見かけたことがないため放っておいた・・・とのことだが

「そ・・・それでいいんですか」
「まぁ被害報告もないですし、何もしていないのに保健所送りだなんてかわいそうじゃないですか」

クスクスと笑う噂のイケメン獣医。もしかしたら俺・・・この人苦手かもしれない
つかみ所がないというか、あまりにもミステリアスすぎる
そこがもてる要因なのかもしれないが・・・

「話が逸れましたね。では率直にお伺いしますが・・・
あなたは、あの猫ちゃんの飼い主さんになる気はありませんか?」

なんだかとんでもないようなことを言われた気がする・・・
カイヌシ、かいぬし、飼い主!?

「・・・は!?え、ここペット禁止じゃ・・・」
「例外として、ですよ。いかがです?」
「うっ・・・」

ニコニコと笑みを浮かべてはいるが
引き取る気がないならば今起こっていることを一切話さない、とでも言うような雰囲気
確かに、猫のことはものすごく気になる
あんなに苦しそうにしていたし、俺ができることなら何でもしてやりたいとも思う
それに元々動物は大好きだ。見ているだけで癒されるし、無条件で可愛い
ではなぜすぐに『はい』といえないか。実は今まで一度もペットというものを買ったことがないのだ

「もし俺が飼わないって言ったら、あいつはどうなるんですか」
「ここに住まわせます。僕たちはかまいませんが、あの子は嫌がるでしょうね」

だったら、俺の答えは決まったようなもの
あの不思議な猫とならば何とか暮らしていける気がする

「分かりました、俺があいつを引き取ります」
「そうですか!よかった」

はめられた・・・・そんな気がしてならない俺だった






++++++++後書き++++++++
もそもそ続きます
のたのた進みました

ずっと不二とシンのターン!
ヒューマンシンドロームの話出てこなかった^q^
つ・・・次こそは!!

次回予告
やっとアラのターン!今度こそ明かされるはずのHS(仮
借りたワイシャツはときめきの予感(意味不明




Next