なんて驚き




温かな体温を感じてゆっくりと目を開ける
あれほど酷かった痛みはない。どうやら熱も下がったようだ
だがここはどこだろう・・・?このぬくもりは何だろう・・・?
鼻をかすめるにおいは間違いなく『彼』のもの
ということは彼の部屋なのだろうか?
身体を起こそうとしたが・・・できなかった
誰かが背中にしがみついている
・・・・・・?しがみつく??
ぞわりと毛が逆立って柔らかく自分を拘束している何かに爪を立てた

「にゃ・・・せ!?だれだ!?え・・・?あ・・・???」
「ん・・・・起きたの・・・か?」

後ろから聞こえてきたのはやはり『彼』の声だ
だがもう一つ聞き慣れない声もあった。そしてそれは自分の口から出たような気がしてならない
一気にパニックに陥ってベッドの上から飛び降りようとするも
どうやら腰が抜けたようで立ち上がることはできなかった
さらに不運なことに暴れたせいでバランスを崩しグラリと視界が傾く

「・・・っぶね!!!」
「ひっ・・・・!?」

別に高いところから落ちても平気なのに
なぜか強い力で引っ張られて彼の胸の中に抱き込まれている

「あ・・・?え・・・?」
「落ち付けって。ほら深く息吸って、吐いて」

言われるがまま息を繰り返すと頭が冷えていく
ようやく落ち着いて辺りを見回すと思った通り彼の寝室だった
もう夜が明けたのかカーテン越しに柔らかな朝の光が部屋を照らしだしている

「落ち着いたか?ならゆっくり自分の手とか見てみな」

恐る恐る視線を落とすとそこにあるのは人間の手。人間の足。
どう見てもあれほど嫌い・・・不思議なくらい強く焦がれた人間の身体なのだ

「熱は・・・・もうないな。辛いところとかは?」

どう答えたらいいか分からなくてとりあえず首を横に振った
パサパサと頬に当たる髪にあぁ本当に「人」になってしまったのだと自覚する
なぜこうなったのか、元の姿に戻れるのか
なによりもこれからどうやって生きていけばいいのか
グルグルと今まで考えたこともないことが頭の中を巡り意識が遠のきそうになった

「大丈夫だって。俺が側にいてやるよ」

どこか嬉しそうな声で彼に囁かれると本当に大丈夫なように思えて、不思議だ






++++++++後書き++++++++
何とか続きます
ようやく進みました

あーちゃん全快
シンちゃん早速セクハラ(違

次回予告
突撃管理人さんのお宅訪問
今明かされるヒューマンシンドロームの正体とは!?(嘘)




Next