なんて心配




珍しく猫に元気がない
毎日訪れるようになってから数日後・・・・
だいたい俺が新しい彼女を部屋に連れてきたあの日からだ
人見知り(なのか機嫌が悪かったのか)な猫は彼女を引っ掻いた
そして痛いと騒いでいる彼女をじとーっと睨み付けていたのだ
適当に慰めて手当をしている内に猫は部屋を出て行ってしまい
そして一週間もの間姿を見せなかった
ようやく姿を見せたかと思うと猫はぐったりとしている
引っかかれることを覚悟して触れるとその熱さに驚いた
どうやら熱があるらしい
触れるな、と言いたげにぐったりとしたしっぽがペシペシと俺の手を叩いたが
今はそれどころではない

「病院!・・・ってこんな時間じゃやってねーか」

明日朝一に病院に行くと決めてとりあえず濡らしたタオルを背中にかけてみる
これは軽い熱中症の時にする処置だけど・・・・

「そういや・・・ここの管理人獣医じゃなかったか・・・?」

ここに越してきたとき挨拶に行ったが確か職業は獣医だと言っていた
それを思い出した俺はすぐさま猫を抱えて部屋を飛び出す
このマンションはペット禁止
猫を連れて行ったら間違いなく怒られる。最悪追い出されるだろう
でも、なにもせずにじっとして朝を待つなんて俺にはできない

「にぅ」
「ゴメンナ。今助けてやるから」

ちょうど来ていたエレベーターに乗って一番下の階を目指した
その緩慢な動きに階段で行くべきだったか・・・とも考えたが
これ以上猫に振動を与えるのはよろしくないだろう
抱きかかえたことによって猫の体温がやはりいつもより高いことを知る
焦っても仕方がない、そう頭で分かってはいるが
こいつが死ぬんじゃないかと考えると、胸が締め付けられた
気まぐれで、プライド高くて、全然なつかなくても
こいつの存在が救いになったことは幾度となくあったから・・・・・

「大丈夫だ。俺がずっと側にいる」
「・・・・・・・にー」

聞こえた鳴き声はやっぱりか細かった






++++++++後書き++++++++
何となく続いています
進み具合がジリジリでも
ちょこっとずつ
あーちゃん発熱
シンちゃんびっくり
発熱時の対応ですがこれは軽度の熱中症の時に有効
命に関わりますので発熱したら一刻も早く病院へ




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