usually Christmas -0-



「キンちゃーん」
「どうした」

パタパタという足音と女の子のような自分を呼ぶ声が聞こえてキンタローは振り返る
もちろん呼び止めたのはグンマだ
確かシンタローの所にお茶菓子をもらいにいくと総帥室に向かったはずだが…

「なんかさぁ…シンちゃんとアラシヤマがケンカしてて」
「いつものことだろう」

何かとぶつかり合うことの多いあの二人はかなりの頻度で言い争いをしている
もちろん聞いているこっちにはただの痴話喧嘩にすぎない

「それがいつもと違うんだよ〜u」
「分かった。それにシンタローは休みだがアラシヤマはまだ仕事中だろう」

シンタローは今日と明日
アラシヤマは明日から明後日までが休みだ
アラシヤマに任せている書類が多いため
キンタローもいささか心配になりグンマを引き連れて様子を見に行くことにした

「なして…あんさんはなしてそういうことしか考えられへんのや!」
「んだよ、選ばせてやってんだからありがたく思え」
「全然ありがたないわ!!わては普通のクリスマスを期待しとったんどす!」
「なにが不満なんだよ!」
「全部に決まっとるやないの!」

まさに一触即発とはこのこと
眼魔砲が撃たれていないのはシンタローがボウルを持っているからだろうか
グンマはキンタローの後ろに隠れ恐る恐る中を覗いている
どうやら2人はキンタローたちの存在に気がついていないらしい

「なにで言い争っているんだ?」
「ボクに聞かないでよ!シンちゃんのケーキ…楽しみにしてたのにぃ〜!」

あぁやはりそれか
ということはあのボウルの中身は生クリームだろう
二人の会話に耳を傾けるとなんとなく全貌が見えてくる

「なしてそないな変態プレイに付き合わなあきまへんの!」
「プレゼントはいらねぇから付き合え!」
「お断りや!」
「じゃねーと生クリーム色々揃えて使い終わるまで解放してやんねぇぞ!!」

「帰ろうグンマ」
「え?え?いいのこのままで?」
「あぁ。いつもの痴話喧嘩だ」

色々理解してしまったキンタローはぐったりした様子で総帥室を出た
その後流れた噂を聞きますますぐったりしたのは言うまでもない


++++++++後書き++++++++

気苦労の絶えないお気遣いの紳士&いつまでもケーキをもらえない馬鹿息子のペアは結構好きだったりする