炎蝶
人を傷つけることしかできないこのチカラが
大嫌いだった
ふとそんなことを思い出しながらガンマ団本部塔裏の崖でアラシヤマは夕日を眺 めていた
深い意味はない
夕日が綺麗だったから
ただそれだけ
そっと手を広げ炎の蝶を創り出した
こんなことすら前はできなかった
感情の赴くままに炎を使ってきた
フワリフワリと飛ぶ炎蝶
人を簡単に殺せるチカラ
「なにやってんだよ」
聞こえた声に振り向こうとすると後ろから抱きしめられた
声の主はシンタロー
急に現れてたがなにか用事だろうか
「なっ!?どないしたんどすか!」
「俺が聞いたんだけど」
「わ・・・わては夕日があんまり綺麗やったさかい、ちょお見たい思ったんどす。シンタローはんはどないしたんどすか?」
「別に・・・やっぱ温けーな」
結局なぜここに来たのかという答えは聞けなそうだ
空調設備が完璧になされている室内にいた方が暖かいに決まっているのに
わざわざ自分で暖をとっているシンタローがなんだかおかしかった
「さっきのやつ、もう作んねーの?」
「?じゃあ創りまひょか」
また手を掲げて炎を生み出す
数匹の朱い蝶は夕日の中を優雅に舞っていった
「キレイだな」
「そうどすか?」
自分が創り出した炎を初めてほめられてなんだか不思議な感じだった
前よりずっと自分のチカラが好きになれたのは
あなたがいたからこそ
きっと立ち止まることもある
でもあなたを守るため
これからも
炎蝶は舞い続ける
++++++++後書き++++++++
なんだか反省しているアラシヤマv
アラシヤマの作る炎の蝶が綺麗で好きですvv
題名はあまり気にしないでやってください・・・
