ヘレニウム



以外と言えば以外
まぁ分かると言えば分かるような気も・・・やっぱわかんねぇ

さっきから俺はかなりイライラしている
自分で分かっているからまだ冷静な方だ
証拠に吸っていたタバコの灰が机に落ちたことにすぐ気がついた
ちっと舌打ちしてタバコをもみ消す
カルシウム足んねぇのかな

いや、そんなことが理由じゃない
原因は分かってる
ただムカつくからそれが原因だと思いたくないだけ
今顔見たら眼魔砲ぶっ放しそうだ



「一般課アラシヤマ入ります」



さっすが空気の読めない人類代表
そんなに眼魔砲食らいてぇか



「総帥、この書類ですがミスがありましたので直しておきました。ちゃんと目を通していただけると助かります」
「分かった。こっちの書類はもう目通したしサインもしたから持って行ってくれ」
「分かりました。それでは失礼します」



無駄かなと思いつつアラシヤマが後ろを向いたとたん眼魔砲を放つ
壁に吹き飛んだけどまた急所を外してダメージを軽減しているだろう
予想通りすぐに起きあがり散らばった書類を集め始める



「なにしはるん。なんや気に障ることしましたっけ?わてはただ仕事しとっただけなんどすけど」
「さっきオマエ告白されてただろ?」
「見てはったんどすか・・・あんまそういうことしなはるとイメージ悪なるんとちゃいます」



下を向いたままちくちくと嫌みを言ってくる
オマエには分かんねーんだろうよ
自分の気になる奴が告白されてる場面を見たらどんな気持ちになるか

・・・これじゃ俺が妬いてるみてーじゃねぇか

うわっ今鳥肌たった
なんでこんなやつに


それでも会議終わりに通り過ぎた物置
そこから聞こえてきた若い団員の声と聞き慣れた京弁
若い声は明らかに緊張しているようで何となく足が止まった
何をしてるのかどうしても気になってストーカーじゃねぇけどそっと中を覗く
そこにはやっぱり一般課の団員とアラシヤマの姿があった
俺の所に来る途中で呼び止められたのか大量の書類を抱えている


「オレなんかじゃアラシヤマさんに釣り合わないの分かってます・・・でもっオレはあなたが!!」
「・・・せやから諦め。わては弱い奴に興味ない。こんなことしてる暇あるんやったら仕事しなはれ」
「アラシヤマさん・・・・」


そこまで聞いて俺は部屋に戻った
このまま見ていたらあの団員に眼魔砲を撃ち込みそうだ
たぶん死ぬまで



「うるせー。あれどこの所属だ?」
「さぁ?たぶんコージはんとこやないの・・・妬いてはる?」



見上げてきたアラシヤマの目がびっくりするほど色っぽくて思わず言葉を続けられなかった
見飽きるほど見ていてウザったいくらい知っている
それでもこいつは不意にこういう目をするから野放しにできないんだ
ずっと捕まえておかないと
綺麗な蝶は俺以外の誰かに攫われてしまうかもしれない



「バーカ」
「いけず!妬いてくれはってもええやん」
「そんな日一生こねぇと思うわ」
「せやけど・・・わてシンタローはんしか興味ないさかい心配せぇへんといて」
「はいはい。そりゃどうも」
「う・・・嬉しいないんどすか」
「いや?」



すっげー嬉しい



耳元で低く囁いて額にキスをすればアラシヤマは美しい微笑みを浮かべた
誰にも渡さない
渡してやるわけがない
俺が独占欲強いの知ってるだろ?

やっぱ妬いてたのかぁぁぁ・・・・・・

と軽い自己嫌悪に陥る俺をアラシヤマが慰めるように頭を撫でる
その日アラシヤマはずっと機嫌がよくて、俺は夜まで機嫌が悪かった






++++++++後書き++++++++
アラシヤマは美人だよね!!!!(は?
きっと団内でもモテモテだと思います
でもアラシヤマはシンタローしか興味ないからねぇ
わてはシンタローはん一筋どすえ説信者
告白されても0.2秒で断って欲しい
あまりにもしつこいやつなら燃やしてしまわれるのもいいかと
でもあんまり団員減らすようなことはしないでねww
何も知らない平団員の方は大変
総帥の物にうっかり手を出したらこの世にいられなくなりますよww
抹殺されそう
いろんな意味で

妬いていないようで妬いてしまっているシンタロー
そんな不器用なところも大好きなんだと思います
夜まで機嫌が悪かったんです
それ以降はアラシヤマが部屋にきたから総帥はご機嫌です

題名はまたしても花の名前から
花言葉は『上機嫌』