誰かの声
誰かの声が聞こえる
その声は泣いていた
声を頼りに歩いていくと何かが見える
真っ暗で何もない空間に、ただ一人
身体を出来うる限り小さく丸めた
小さな子供
声を押し殺して、すすり泣いている
誰からも愛されず
誰からも必要とされず
逆に化け物だと、恐れられていた
(消えたい)
子供は切に願っていた
両親は普通の子供と何ら変わりなく接してくれる
惜しみない愛情を注いでくれる
でも、それがどれだけ負担になっているか
幼いながら子供は知っていた
ただ悲しくて
ただ寂しくて
家の中で誰にも見つからないように
自分の身に宿った力を呪いながら、いつも泣いていた
見つかればまた優しい父と母が心を痛める
それが悲しくて、また涙が溢れ出す
「泣かんでええんよ」
そう言って、肩を震わせ泣く幼子を抱き締めた
大丈夫だと
幼子は顔を上げ言う
「っ・・・わて・・・いらん子なんやッツ・・・・」
「なんで・・・・」
「こないな力持ったバケモノは・・・おらん方がええって・・・ひっく・・・みんな思てる」
「誰もそないなこと言うてへん。大丈夫や、わてはもう一人やない」
「・・・・ほんまに?」
泣いていた幼子は首を傾げた
信じられないとでも言うようにまた俯いてしまう
「そないな優しい人・・・・ほんまにいてはるん・・・?」
「いけずやし、かなり俺様やけど・・・・優しいお方どすえ」
「わても・・・会えるんやろか」
「あたりまえどす・・・・・あんたは・・・・・・わてなんやから」
涙の溜まった瞳でにっこりと微笑んで
昔の自分が消えて行く
そう、もう一人じゃない
果てない孤独に耐えて泣いていた自分はもういない
ガンマ団に新総帥が誕生したあの日から
涙は彼のために流そうと決めた
「アラシヤマ?おい、起きろ」
「ん・・・・シンタローはん?なんどすのん・・・」
目が覚めたらあの人が隣にいる
ほら、やっぱり
孤独に果てが見えた
「オマエ何泣いてんだヨ。嫌な夢でも見たか?」
「へえ、でも大丈夫どす。シンタローはんが側にいてくれはるさかい」
誰かの声が聞こえる
それは自分?
もう違う
それはあなた
大好きなあなたが、わてを呼ぶ声
++++++++後書き++++++++
ひっさしぶりーーーーーー
うんうん
幸せで救われてるアラシヤマが久しぶり
このお話、特に意味はないんです
ただ夢の中で泣いているちみアラを大人になったアラが抱き締める
っていうお話を書きたかったわけですよ
文字見づらくてサーセンw
こういう方法を一回も使ったことがなかったのでやってみました
うーん、二度としない
何より打ちづらい
あなたが全てをくれたから
わても全てで返します