「俺に逆らう奴は許さねぇ、例え神であろうとだ」




「ちっ・・・」


本日何度目かの舌打ちとともに吸いかけていたタバコを灰皿に押しつける
全て短時間で消してしまっているため、吸い殻が山となっていて
その光景を見ているとますますイライラが募った


「総帥、よろしいですか」
「・・・・なんだ」
「アラシヤマ様が「すぐ通せ」
「分かりました」


チョコレートロマンスの短い返事の、後にすぐに聞こえた声
失礼します、と標準語ながらどこか京都訛りが入った独特の話し方は気に入っているはず・・・
だが今の俺には逆効果で、ささくれだった気持ちをさらに煽り立てるだけだった

そんなことを全く知らないアラシヤマは淡々と業務をこなしていく


「聞いていらっしゃいますか?今日中この書類に目を通してサインを・・・」
「なんで昨日来なかった」
「・・・ですからサインを・・・・」
「まず俺の質問に答えろ!!何で来なかったんだ!」
「・・・・」


いきなり声を荒げたためかアラシヤマはびくりと体を竦ませはしたが質問には答えない
昨夜俺の部屋に来いと言っていたのだが、何時間待ってもこいつは来なかった
いつもならあり得ないことだ
答えないのも、来ないのも

俺は椅子から立ち上がりアラシヤマを睨みつけた
こいつには一度思い知らせた方がいいらしい


「めんどくせぇ。オマエなんかにつきあってる暇ねんだよバカ」
「せやかてッツ」
「もういいわ。やる気失せた・・・出てけ」
「シ・・・シンタローはん」
「オマエなんかもう知らねー」


部屋から追い出して、目の前で思いっきり扉を閉める
俺は悪くねぇ・・・
あんくらいしねーと分かんねんだあいつは




ただ・・・
扉を閉める前に見たあいつの顔が
気になってしょうがない
世界の終わりのような
そんな顔をして


「なんつー顔してんだ・・・あいつは」


涙はなかったが、泣いていたのかもしれない
また無意識に傷つけた

でも俺から謝ることはない


「俺に逆らう奴は許さねぇ、例え神であろうとだ」


静かになった部屋に
その呟きは嫌に大きく響いた




++++++++後書き++++++++
わーい\(^o^)/
救いがない
シンタローいけずだ
めちゃくちゃ酷いシンタローが書きたくてやってみました
似たようなことを言われたことありますがかなりグサッときますよね
裏に持って行きたかったがこの空気ではちょっと・・・残念

アラシヤマは仕事していて行けなかったのでした
ですが言葉が足りず、一方的にシンタローは突き放します
謝っても無視だろうな
でもアラシヤマはずっとシンタローが部屋に来るか、呼ばれるのを待っていると思います