君に会ってもう14年
いろんなことがあったよね?
任務では怪我もしたし傷つきもした
失敗したこと嫌なこと辛いこと
今まで本当にたくさんの出来事があった
でも嬉しかったこととか
楽しかったことの方が多い気がするんだ
それはもちろん仲間のおかげでもあるんだけど
やっぱり僕は君がいたからだと
そう思うんだ
「ミヤギくん、スポンジお願いするだっちゃわいや」
「おう」
慣れない手つきでスポンジケーキを焼いてくれているミヤギくん
本当は全部僕が作りたかったんだ
でもレシピを見て時間を考えると今日中には作り終えることができなくなりそうで手伝ってもらった
だって今日は大好きな
大好きなミヤギくんが生まれた日
もしミヤギくんがこの世にいなかったら
きっと僕はこんな気持ち
一生感じることができなかった
「トットリ、クリームついてるだ」
頬に飛んだ生クリームをミヤギくんが舌で舐めとる
なんかいつもより優しくて
僕は恥ずかしかった
「ミヤギくん恥ずかしいっちゃ」
「大丈夫。めんこいべ」
大丈夫なんかじゃないのに
ミヤギくんはすごく嬉しそうで
まぁ今日くらい流されちゃてもいいかな?
なんて考えてる僕はきっとおかしいんだ
美味しそうにケーキが焼き上がって
誕生日パーティーの始まり
バースデイケーキには僕を添えて
お誕生日おめでとう ミヤギくん
生まれてきてくれて
僕を見つけてくれて
本当に
ありがとう