きっとここにいる
どうなっていただろう
今になってそう思う
もし、もっと自分が強かったら
今の自分はここにいないだろうか?
「ミヤギくーん!!」
「?、おー帰ったが」
後ろから聞こえた声とともに抱きついてきた恋人
童顔に満面の笑みを浮かべているのが可愛くて、反射的に頭を撫でる
「今回はずいぶん早いっけな」
「早くミヤギ君に会いたくて頑張ったっちゃ!」
「さすがはオラのトットリだべ!」
「そげん言われると照れるっちゃよ〜」
こんな恥ずかしいやり取りをしているが一般課の廊下でしかも平日だ
しかし周りの団員は触らぬ神になんとやらで避けて通っていた
この雰囲気をぶち壊そうというならば間違いなく次の日、陽の目を見ないだろう
というより見れないだろう
「その書類どげんしたんだぁらか?」
「ん〜仕事だべ」
「根暗は遠征中だっちゃか?」
「んだ」
「じゃあ僕が手伝うっちゃ」
「おめ帰ってきたばっかすだべ」
「全然平気だっちゃよ」
抱えた書類の半分をトットリが持った
期限がギリギリなものばかりだから正直ありがたい
こんな時もふと考える
頭が良ければ
効率よく仕事ができれば
なにか変わっていただろうか
「でねミヤギくん。あれ・・・・シンタロー?」
夢中で任務で行った国のことを話していたトットリが前を見て半ば絶句している
目で追ってみるとそこには確かに総帥の姿があった
どうみても不機嫌度MAXのオーラを放っている
「シ・・・シンタロー?どげんしたんだぁらか」
「トットリ・・・てめぇ帰ったら一番先にすることなんだっけ」
「ほっ・・・報告書の作成及び提出・・・です」
「なら今すぐしろ」
「はいっ」
静かな声が怖い
怖すぎる
目が据わっていますよ総帥
「シンタローなにもそだな風に言わねくても」
「お前もサボってんじゃねぇよ」
「り・・・了解だべッツ」
一目散に自分達の部署に戻っていく部下を見送るとシンタローもため息をついて 廊下の奥に消えていった
無理だ
やさぐれた背中を見ながら思う
いくら強くて、頭が良くて、仕事ができても
あの状態の彼を立ち直らせたりするなんて、地球で何が起ころうとも無理だ
憧れから抜け出さなかった感情は、これからも憧れから変化することはない
今だからこう思う
何があってもここにいて
何があろうとここにいよう
++++++++後書き++++++++
ごめんなさい
意味不明でごめんなさい
つまりはシンタローにあこがれを抱いていたミヤギくんだったけど
それはあくまで憧れであってそれ以外のなにものでもなくて
結局のところトットリが好きってことです
あれ・・?フォローになってない?(オワタ
